不動産投資の物件調査方法1(調査前の情報収集編)

このシリーズでは、取得対象となりそうな素晴らしいパフォーマンスを生み出しそうな物件情報を手に入れた際に、対象物件の調べるべきことを迅速に調べ、そして事業計画立案のさらなる飛躍につながる情報を見出す術を紹介する。第一回目の今回は、物件の情報を手に入れ投資対象となりそうだと判断した物件について各調査を行う前(家を出発する前)に行う情報整理について解説していく。

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不動産投資家が物件取得に動く際に対象物件をどのように調査し、購入の是非を決めていくべきか、多くの投資家は紹介された物件概要の数値部分にのみ興味を頂き対象物件の調査について少々疎かな方が多い。

リフォーム、改修等の費用面に興味は深くてもその安全性、活用方法を見出す面においてあまり興味をもっていないまたはその精査の方法をご存知ない方が多い事に起因するのかもしれない。

このシリーズでは、取得対象となりそうな素晴らしいパフォーマンスを生み出しそうな物件情報を手に入れた際に、対象物件の調べるべきことを迅速に調べ、そして事業計画立案のさらなる飛躍につながる情報を見出す術を紹介する。

第一回目の今回は、物件の情報を手に入れ投資対象となりそうだと判断した物件について各調査を行う前(家を出発する前)に行う情報整理について解説していく。


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物件調査・買付(契約セット)迄のフロー

不動産への投資や業界での活動が長い方の中には物件の投資性(数字の精査)には詳しい方は多いが、取得対象としての物件調査について自信をもっている方はすくないかもしれない。

その為、まず最初に購入対象となりそうな物件を発見した際に物件購入(オファー:買付)を出すまでに必要な調査フローをまとめる。

  1. 物件情報の収集と事前精査(この記事で解説)
  2. 対象物件の現地調査
  3. 法務局調査
  4. 役所調査
  5. 物件現地での整合性調査

上記調査とともに問題がなければ融資打診(金融機関への持ち込み)はできれば同日が好ましい。

融資を利用しない方、融資に関して心配のない方(内諾がすぐとれる方)はこれとともに最速で買付申し込み(交渉がある場合は特に急ごう)を行い、売主をグリップして間違いなく自分を買主として契約する約束を取り付けよう。


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物件調査の対象となる物件の条件

不動産投資家にとっての物件調査とは、不動産投資の投資対象になりうる物件が対象になる為、対象にすべきかどうかは投資効率、数値上での精査が一番最初になり、この時点において購入対象にならない物件は調査に赴く事はない。

その為、この精査の段階と物件調査前の準備では数字上の精査と照らし合わせて行う部分もでてくる。投資対象とすべき物件かどうかの数字上の精査にまだ自信がもてない場合は、今まで解説してきた各シリーズをご熟読頂きたい。

下記は、物件調査の段で最低限習得しておくべきシリーズと言える。

シリーズ化しているものは基本、不動産投資を行うならば全てマスターすべき情報なので他シリーズも時間がある際にはご覧頂くとよい。

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売主より情報収集すべき物件調査POINT

調査前の段階で物件の存在を知りえた際には、物件の販売図面、または概要書を手元にお持ちであろう。その中の情報から数字での精査、収集すべき情報の取得方法をあらう。

購入希望者として対象物件を調べる際、まず、売主側から収集する必要のある情報を確認していく。


売主(または担当)からもらうべき資料

  1. レントロール(家賃台帳)
  2. 公課証明(または固定資産税納付書)
  3. 修繕履歴やその工事内容(あると望ましい)
  4. 間取り図(販売図面に記載があるならば必ずしも必要ではない)
  5. 公共料金等のデータ(あると望ましい)

また、上記の他、多くの場合、謄本、公図、測量図・建物図、配管図(上下水道・ガス)等を準備している可能性が高い為、もし収集可能ならば頂戴しよう。


売主(または担当)から収集すべき情報

売主しか知りえぬ情報について、気になる何かを感じたら聞いておく。

  1. 売却の動機
  2. 建物、設備等の不具合
  3. 隣地との境界の取り決め等がないか。越境はないか。
  4. 地盤について(軟弱地盤ということはないか)
  5. 過去との土地の利用状況
  6. 建物の増改築とその登記の有無
  7. 雨漏り、水漏れ、シロアリ、建物の傾き(室内が見れない場合)の有無
  8. 建物の資料に関する保存の有無(もしあるならもらいたい)
  9. 地中埋設物や土壌汚染の有無
  10. 浸水、火災、自殺、他殺等の事件はなかったか。
  11. 嫌悪施設の有無
  12. 問題ある入居者の有無

通常上記のような問題を抱えている事はであり、多くの場合、何か問題がある場合は、販売図面や概要書、または物件担当が事前に伝えてくれるだろう。その為、全ての物件で聞き取りをおこなうわけではなく、気になる何かを感じたら聞くという姿勢でよいだろう。


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インターネットで集められる物件調査のデータを収集

現在、不動産の調査を行う上で事前にかなりの情報をインターネットで収集する事ができる。スムーズな調査の為、活用し事前に把握してく。


住宅地図を手に入れる

最も望ましいのは、ゼンリンのブルーマップ(対象ページのコピー)であるがもちあわせていない場合は、通常の地図でも構わない。

尚、ブルーマップは地域の図書館や法務局においてある他、登記情報提供サービスの利用者は平日の8時30分~21時までログインしていれば閲覧可能だ。

また、Googleマップを利用し、リアルタイムではないものの、物件の画像やストリートビューで物件の姿を確認しておくとよい。物件の状況によって現地調査や改修・リフォーム等に必要になる工事の予想が立てられる。


対象物件の交通機関を調べる

主に、賃貸客付けや将来の売却に備えてという側面が強いが交通機関での対象物件までのアプローチ方法は調査しておくこと。

最寄り駅の乗客数をチェックしておくことやバスも含めた路線図、時刻表も目をとおしておこう。


行政(役所)のホームページを調べる

行政のホームページより様々な情報が収集できる。地域と行政の特性の特徴をつかむこと。地域の人口や世帯数当の統計情報を公開している市区町村もあり情報収集に非常に役立つ。


路線価図、公示価格等を調べる

上記サイトで確認できる。


都市計画情報、建築基準法上の道路種別等を調べる

各行政のホームページの他、東京都であれば東京都都市整備局のインターネットサービスで確認する事ができる。

尚、道路種別に関しては地域、行政によってネットでの情報提供をおこなっていないケースも多いが、これはのちの役所調査の際に確認するので現段階においてはあまり気にしなくてもよい。


賃貸需要、相場を調べる

当然のことながら対象物件の現賃料設置が適正であるか、また退去がでた場合、賃料設定はそのようにすべきかを把握しなければならない。

保有期間中の賃料の推移を確認する為にも、賃貸募サイトを活用し、類似条件物件を絞り込み、そこから築年数順、賃料順でのソート(並び替え)を行いその築年数ごとの賃料推移を把握しよう。

稀に家賃下落の推移を年率1~2%水準とした事業計画を練る方がいるが精度に疑問が残る。地域によって、そして対象物件の現築年数からの将来の築年数の下落水位は全く一律ではない。

上記の方法は対象地域、類似物件においての築年数ごとの賃料を把握する事により対象物件そのものの取得後の将来賃料を予想するのにかなり役立つはずだ。


地名から地域を類察・地歴を調べる

地名はその地域のかつての姿を反映しているケースが少なくない。調査を始める前にある程度の推移をしておくと調査漏れを防ぐことに役立つ。

また、国土地理院地図で古地図や年代別航空写真を閲覧することが可能だ。

尚、東京都は教育委員会の「遺跡地図情報インターネット提供サービス」が提供されている為、事前に把握しておくとよいだろう。


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対象不動産の利用目的、将来選択可能な利用法を精査する

不動産の利用目的の内、選択できる項目によって調査内容が変化する事から事前に利用目的として選択が可能なことを把握し、のちの調査で把握すべきことを洗っておく。


土地について


一戸建を建築できる場合

基本的な不動産調査を実施


一団の土地

開発行為の許可、開発条例や指導要綱など


アパート・マンションを建築できる場合

条例等による建築紛争防止規定、ワンルームマンション規定、狭小住戸集合住宅税(豊島区)など


大型ビルを建築できる場合

福祉のまちづくり条例、電波伝搬障害防止制度、航空法関連規定など


建物について


リフォーム等を施し利用する場合

建物の故障、不具合の有無とその責任がどうなるか、リフォームにかかる費用など


建物を解体する場合

建築リサイクル法、アスベスト、土壌汚染の発見時はそうするか、解体費用など


新築を建てる場合

上記、土地について解説した項目等の他、建築費用など

自身が取りうる選択肢がメインで調査すべき事項であるが、出口戦略にからむ事にもなる為、対象物件が取れる選択肢についても把握しておくことが好ましい。

尚、物件を取得する事を決め、売買契約をする際に説明を受けることになる重要事項説明には上記であげたことも触れられている。


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物件調査で赴く場所・連絡先をリストにする

不動産の調査を進めていく際、複数個所に訪れる必要がでてくる。その為、対象物件の物件調査に必要な場所、担当部署について事前に調べておくことが調査の効率化に非常に役立つ。

下記は、事前に把握しておいた方がいい場所、連絡先の主だったものだ。尚、担当各課の名称は各行政により若干異なる。

  • 役所|市区町村役所(場)、都道府県庁
  • 都市計画|都市計画課、まちづくり推進課など
  • 道路・水路管理|管理課、道路管理課、土木課、河川課、国道事務所、(東京都)建築事務所など
  • 建築担当|建築指導課、建築家、建築審査課など
  • 開発担当|開発か、開発指導課など
  • 教育委員会|文化財課、生涯学習課など
  • 農地・生産緑地|農業委員会、農地課など
  • 水道局
  • 法務局

物件によって開発関係などは不要なケースがでてくるが、上記の部署、場所を事前に確認しておくと調査が非常にスムーズにいく。逆をいうと把握していないと役所、法務局調査で何度も行き来して時間ばかりロスしてしまう可能性が高くなる。


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確認すべき事項についてリストにする

上記で上げてきた、対象物件の調査において特に注意してわすれないようにしておきたい調査項目をチェックしておく。

このチェックは物件そのものの調査に関しては後述する物件調査票を利用いただくとよいだろう。建物のリフォームや修繕に関する事項についてはそれぞれ注意事項をメモし、現地調査の際に忘れずに確認するようにする。


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現地調査に必要な同行人(工事等の業者)への連絡

対象物件を取得後にリフォーム、修繕をする場合や立て直す場合、工事会社、解体会社や設計士の動向が必要となるだろう。

また、事業計画によっては測量士(家屋調査士)等が必要となることもある。投資家としてはかかるコストを素早くはじき出す為、そして対象物件に問題がないかのチェックの為にもそれぞれの専門家に現地を確認してもらう必要がある。

その為、必要なパートナーへ現地同行、または調査依頼の連絡をいれる。

また、対象物件を取得する場合、調査に続く作業は物件の契約を自分とすることを相手方にきめてもらう為のグリップである。このグリップの段で非常に重要なのは担当の抑え込み。

物件調査をはじめ、融資付け等の進行状況は常時担当へ電話で連絡を入れつつ、物件へのオファー状況を収集する事、そして他の人と契約させないように抑え込んでいくことが最重要であり腕の見せ所でもある。


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物件調査票を準備し、出発前の最終チェック

ここまで情報を整理できたらいざ、現地調査、法務局、役所調査に赴くことになる。それぞれの調査の際に漏れがないように調査票に現在把握していることを鉛筆(またはシャープペン)で記入しておき、それぞれ裏付けの確認、未確認事項の調査を行っていく。

調査の漏れが起こらないようにこの調査票を準備しておくことが重要である。まだ経験浅く、調査票をお持ちでない場合、当社で使用している調査票を利用頂けるようにしておく。

下記より取得頂きたい。

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不動産取引において最も影響の大きな遵法性の有無の他、調査すべき事項がまとまっている為、非常に使い勝手がよいだろう。

何事も準備が最も大切であるようにこれまで解説してきた調査準備を行えば、現地調査を含めた不動産投資における物件調査はスムーズに行えるだろう。


次回は、現地調査の仕方について詳しく解説していく。


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投稿者:Kishin Inc.編集部

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