このシリーズでは投資先をアパートとした場合の注意点、メリット・デメリットを解説するだけでなく必勝の道へとご案内する。第6回目の今回は、中古アパートの勝利方程式、言及すべき必勝POINTや融資利用法等を細やかに解説していく。
不動産に投資を行おうと考える場合、実のところアパート、マンション、区分マンション等でそれぞれ注意すべき点や勝利の方程式は微妙に異なる。
しかし、その細やかな相違や正攻法を細かく解説した情報に出会うのはまれだろう。
このシリーズでは投資先をアパートとした場合の注意点、メリット・デメリットを精査していく。
前回までの内容をご覧頂いていない方は下記よりご確認頂きたい。
- アパート投資の教科書1(必勝・必負の法則編)
- アパート投資の教科書2(注意点と特徴編)
- アパート投資の教科書3(新築の精査編)
- アパート投資の教科書4(新築の勝利条件編)
- アパート投資の教科書5(中古物件の精査編)
第6回目の今回は、中古アパートの勝利方程式、言及すべき必勝POINTや融資利用法等を細やかに解説していく。
中古アパート投資の勝利の方程式
中古アパートを投資対象とする場合の勝利の方程式は出口戦略が上手く成り立ちやすい事にある。
土地を購入する目線で物件を探す
アパート探す際にも土地を購入する目線で物件を探すというのが大きな利益を出す第一歩だ。
新築と比べ、基本的に建物比率がほとんどないから、実際の価値は土地に依存するといってもいい。
価格が下落しなければ税引き後CFの蓄積は利息
投資先の可処分額(担保価:売却時受取額)が下がらなければ、賃貸経営における税引き後キャッシュフローの蓄積は利息と言える。
取りやすい戦略としてはやはり土地の視点、見立てを重視した投資先選別だろう。
利回り重視で選別した場合、運営力如何だけでなく、終値が覚束ない為、勝率は著しく落ちる。
土地の価値が十分にあるアパートは賃料収入もついてくるケースが多い。
まれに大きな敷地に小さなアパートが建っているのみという税金対策に立てたのであろう物件もあるが。
売却までの期間中に運営ができる収益が確保されていれば(借入比率の関係)、投資対象に入るかもしれない。
アパート投資の際の土地の見立て
土地の見立てに関しては「積算評価 ( 原価法 ) ・時価評価自動計算」を活用して頂きたい。住宅市場に向けての売却に際しての注意点等もシミュレーション下部に記載している。
![]() 積算評価(原価法)・時価評価自動計算 | 自用(住宅・土地等)と賃貸投資用の不動産について積算評価(時価)を自動計算できます。各項目を選択または数値を入力することにより自動算出されますのでご活用下さい。所有権と借地権に対応、区分所有にも対応。 |
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アパート投資の物件精査フロー
重視するものは土地、次に保有期間中の必要収益を最低限あげてくれるかどうか。
この見立てによる物件選別のメリットはどのような情勢になろうと、融資の利用がしやすいことにある。
住宅ニーズのある地域ならば土地は住宅市場で売れる。資金回収が固く可能とみれる物件に対しては金融機関は積極的に融資してくれる。
アパート投資最大のポイント
アパートとして売られている場合、買受け人は基本投資家だ。
賃料収入が少なければ購入できる人が少ない
そのため土地の価値が大きくなろうと賃料収入が少なければ購入できる人が少ない。
つまり、市場の中には本来土地として売却した場合、非常に高額で売れる可能性を秘めた物件が潜んでいる。
仮に年間賃料収入が600万円しかないために1億で売られている物件があるとしよう。
表面利回りは6%だ。 この対象物件は収益が弱く資金調達があまりできない。
そのために購入できる投資家が少ない。
チャンスの眠るポイント
しかし、その物件を支えている土地をよく精査してみると実需市場に売却することができれば、1億5000万円で売れるであろう物件だ。
そう言った物件が埋もれている。
アパート投資の注意点
住宅市場における土地の変動は単に地価マップで路線価をみるだけでは足りない。
その地域において最もニーズのある土地の大きさから大きくかけ離れたサイズの土地は同じ単価で売れるということはない。
その地域において取引されうる住宅市場の価格帯というものがある。
土地の最適な大きさ
適正サイズ(最もニーズのあるサイズ)を大きく超えた場合、土地単価は低くなる。
皆、土地を見るとき坪いくらか?と気にするが、最も好まれるサイズで地型のいい土地と2倍、3倍の大きさの土地の単価はまるで違う。
地域のニーズや見立てを行う場合、地域の新築建売住宅の価格を見て参考にすると非常に掴みやすい。
どのような土地のサイズの物件がいくらで売れているか、これが住宅市場における価格目線だ。
建物代を控除した金額が最も高く売れるサイズ、そして単価だと捉えれば間違いようがないだろう。
宅建業免許を持っていない場合
但し、宅建業免許を持っていない場合、土地を分割することはできない。
それでも投資市場で取引金額が成立する価格と住宅市場で取引される金額に大きなギャップを見つけることができるハズだ。
そういった物件は存在する。
アパート投資の必勝パターン
利回りばかりを重視して物件を探した場合、このような物件に気づくことは難しい。
中古アパートで物件を見立てる際、この土地に着目して物件を探し、購入する方法は鉄板法則といえよう。
アパートの賃料推移に注視
そしてもう一つ、通常アパートの賃料変動は新築時を10としてみた場合、下落が進むと最終的に3割5分ほどにまで賃料が下落する。
下落しきった物件を再生
その下落した物件を再生する方法である。
下限物件に対し、全力のリノベーションを行うと、収益の劇的な向上が望めるケースがある。
私の経験上、地域の新築賃料の35%迄落ちた物件が最下限物件。90%程度迄は回復し得る。
十分な価値ある物件に再生することによって、売却時の価格を大きく伸ばすことができる。
もちろん土地の価値に視点を置き素晴らしい物件を手に入れた場合に有効な手法である。
土地の価値があるのに高い値段で売れないケース
土地の価値があるのに高い値段で売れないという場合、物件の収益性が弱いことに起因している。
その問題点をクリアし収益力もつければ高額で取引される条件が揃う。
土地のサイズ変更ができない一般投資家の方もこの方法であれば価値ある物件を価値通り、それ以上で売り抜ける事が可能だろう。
この賃料の再生を活用する場合、当然事業計画上のコスト対収益の増加比率をよく検討する必要はある。
事業計画が優れたものであれば改修費用も調達できるだろう。
中古アパートの融資利用POINT
中古アパートで比較的難しいといわれてる融資の利用だが、多くの場合、アパートの賃料収入が多く確保されていると、実際の土地・建物の価値以上の値段で売り出されることが多い。
本質的な担保の考え方
融資をする側の立場に立って想像するとイメージが沸くが、仮に返済が滞った場合、一体いくら回収できるかというのが最も気になる。
それが本質的な担保の考え方だ。
賃料収入がいくらあろうともいざとなった場合に即現金化できる金額が低い場合、融資の利用は難しくなる。
返済原資と物件そのものの担保価
賃料収入による返済原資と物件そのものの担保価が一致した点が、融資利用ができる基準価格(ノンリコース枠)である事を覚えておくといいだろう。
そこを基準に自身の事業計画と見比べ、自身の他資産にて、または、自身の給与収入を売りに信用を埋めるのかを検討する。
土地の価値が高い場合、賃料収入が確保されていれば比較的資金調達はしやすい。
また、中古物件の融資期間が伸ばせず苦戦しているという声もあった為、以前、Audioの解説でも取り上げた事があるので、ご視聴頂いてもよいかもしれない。
次回は、これまで解説してきたアパート投資に関して、特に言及すべき注意点とまとめを添え総括とさせて頂く。
![]() アパート投資の教科書7【総括】 | このシリーズでは投資先をアパートとした場合の注意点、メリット・デメリットを解説するだけでなく必勝の道へとご案内する。第7回目の今回は、これまで解説してきたアパート投資に関して、特に言及すべき注意点とまとめを添え総括とさせて頂く。 |
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