アパート投資の教科書3(新築の精査編)

 

このシリーズでは投資先をアパートとした場合の注意点、メリット・デメリットを解説するだけでなく必勝の道へとご案内する。第3回目の今回は新築アパートを投資対象とした場合の特筆すべき注意点とメリット・デメリットを精査していく。


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不動産に投資を行おうと考える場合、実のところアパート、マンション、区分マンション等でそれぞれ注意すべき点や勝利の方程式は微妙に異なる。

しかし、その細やかな相違や正攻法を細かく解説した情報に出会うのはまれだろう。

このシリーズでは投資先をアパートとした場合の注意点、メリット・デメリットを精査していく。

前回までの内容をご覧頂いていない方は下記よりご確認頂きたい。

第3回目の今回は、新築アパートを投資対象とした場合の特筆すべき注意点とメリット・デメリット、それに勝利条件について解説していく。

新築アパート投資の現状

日本全国を対象としてみると人口は減っていく中でも増え続ける新築アパート投資に対する警戒感は強いが、マクロ的視点だけに踊らされてはいけない。

ミクロの視点、物件そのもの、周辺・環境等を踏まえ選別していく必要がある。

新築物件を対象とする場合、中古物件に比べて投資効率の優位時期が中古に比べると長くなりやすい。

新築物件の初期段階ではコストが最小限で抑えられる点で長期保有が成り立ちやすい。

長期保有を実現するには

一方で長期保有を実現するには、 購入した物件が賃貸ニーズに答えられ続けられるかが重要だ。答えられなければ空室損を招く。

試算の結果、比較的長期保有になりやすい新築物件は、賃貸運営にかかる調査にも注視するとよい。

この記事で取り上げる新築アパートは主に新築建売アパートを主題材として解説する。

自身でアパートを建築しようと検討している方は、記事の中で紹介する問題点、解決すべき点を視野に入れ、全てを回避した形で素晴らしい事業計画を練るのに役立てて頂きたい。

新築アパート投資の失敗公式

新築アパート投資の失敗公式とは、修繕が必要な時期に差し掛かった頃にキャッシュが回らなくなる。

賃料の下落と空室に堪え運営し続けてはいたが、修繕費用はとても捻出できないという事例だ。

修繕時期の資金ショート

これは非常に多く、修繕時期に訪れる資金ショートが非常に多い。

当サイトの各記事では事業計画を最重要視しており、その理論を理解されている方にとってはあり得ない話だろうが、現実には無駄に長期保有した事に起因した資金ショートが最も多い失敗公式だ。

融資利用の際の精査漏れ

新築アパートを購入しようという際、ほとんどの方が融資金を利用する。この融資利用計画と収支計画があまりにずさんであるがために、一定期間を超えた時、経営が厳しくなる。

元の計画では全く考慮に入れていなかった物件の売却を検討せざるを得なくなるが、残念ながら建物の減損とローンの残債の減少に差がないか、建物減少額の方が大きい。

こうして売るに売れない状況に陥る。おそらく新築アパート購入者において最も多い失敗だろう。

失敗公式が示す問題点

上記の失敗公式がもたらす問題は、債務超過状態が出来上がることだ。売却を検討しようにも価格が追いつかず最悪の場合、自己資金を投下して無理やり売却するしかない。

売却できなければ恐ろしいスピードでキャッシュが失われていく。それも叶わないならば任意売却しか手がなくなる。

ほとんどの場合、賃貸運営で物件が稼ぎうる収益以上の額を30年、35年という長期ローンを利用して物件を取得している。

元本分さえ稼ぐかどうか微妙なのに利息も付されるのだからとてつもない損失を被ることになるのは想像しやすいだろう。

融資期間を延ばすというのは、一見良さそうなものだ。

重要なのはキャッシュの動きであることは確かだ。

しかしアパートの建物は19年から22年で減価していく。残債の減り具合にギャップが生まれやすいのだ。

新築アパート投資の強み

新築の建物は法定償却期間22.軽量鉄骨で19年まるまる使用できる為、融資が非常に使いやすい。

まだまだ融資審査が緩いと言える現状では給与所得であろうと収入が多ければ、非常に高額の融資が利用できる。

ある意味どなたでも購入できるという部分が強みとも言える。

新築物件が融資利用しやすい事には理由がある。

購入後10年程度は大きなコストが発生しにくい事である。
 

新築の強み一覧

  • 初期の運営コストが少ない
  • 融資利用が極めて簡単な為、取得しやすい
  • 物件資料(図面や関係書類等)が全て確認できる

一方で運営コストが軽い時期にも限度がある、精々10年程度であろう。

10年を超えれば建物の価格は約半分まで下落している。売却に影響するノンリコース枠も当然下落する。

事業計画が必須

利益確保の為には実は精度の高い事業計画が必須である。

少し意地悪な表現をすると、参入しやすいからこそ、調査、事業計画を綿密に練らないと誰かの出口になりやすい

新築の最大の強みである、物件そのものの資料が完全な形で手に入る点は精査、その後の展開にも大きく活用が可能である。

精査の仕方がわからない方が多い

しかし、多くの新参入者はこの精査の仕方がわからないか投げ出してしまう。

数字面の将来予測の精査も甘く新築アパートを投資対象に選んだ新規参入者の多くは将来、多大な負債を押し付けられていた事に気づくかもしれない。

精査方法について

当サイトでは、不動産投資における物件取得・投資判断において核といえる非常に重要な項目についてはシリーズ化して丹念に解説している。

アパート投資における物件取得の為の精査、投資判断においては主に下記2シリーズをご確認頂くとよいだろう(リンクは各シリーズ1回目の記事)

不動産の運営費・コストの全てを洗い出し事業計画を練ろう

不動産運営は、収入は単調な為、全てはコストの把握。これが防衛手段であり、成功の種になる。これから不動産投資・経営を志す方には必要不可欠な不動産賃貸経営のコストの悉くを洗い出していく。第一回目となる今回は、室内のコストに焦点を当て、丁寧に解説していく。…

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不動産の利回り・投資指数活用マニュアル

「利回り」より収集できる情報、更に収集した情報を精査し投資指数を弾きどう活用し、不動産がもたらす利益を向上させる指標とするかこのシリーズでは明示する。第一回目の今回は、「利回り」の概要を確認し対する捉え方を整理していく。 不動産の利回りに対する捉え方…

 Kishin Inc.  


新築アパート投資の弱み

先よりお伝えしているように建物減価幅が大きいことが挙げられる。

築古建物

木造のアパートは、22年後には法定耐用年数を過ぎ、金融上では資産価値はゼロとなる。

担保価はある意味ゼロ以下としてみなされる。

22年間(軽量鉄骨は19年)で建物の価格下落率に対し、出口(売却)は定められるだろうか。

出口戦略

下落していく中で売り切って利益を確保するのは綿密な計算が必要だ。収益価格を算出する工程を思い出してみてほしい。

全てを洗いざらい数字を拾い算出したであろう。

参考:「不動産の利回り・投資指数活用マニュアル 」シリーズの収益価格算出の過程、道程をご確認頂きたい。

アパートを購入する方は、不動産投資市場にしか存在しない。

居住用不動産で最も高く売れる住宅市場に売り出すことは、新築物件を対象とした場合、不可能である。

投資対象としての精査

まず、運営だけでは取り壊し時期までに初期投下資金が回収できない

融資を利用していない場合でも物件取得費を回収する事はできないからだ。

退去難という話ではない。資金が圧倒的ショートを起こす

理解できない方は「不動産の運営費・コストの全てを洗い出し事業計画を練ろう「事業計画」は把握から始まる 」をご参照頂きたい。

新築の弱み一覧

  • 建物減価幅が大きい=売却値の下落幅が大きい
  • 事業全体での利益が出しにくい
  • 債務超過に陥りやすい
  • 住宅市場に売り出せない
  • 対象物件そのものの事業実績がない

 対象物件そのものの事業実績がない点において、運営予測、特に入居付けや賃料予想などの精査の難易度が中古物件よりも若干上がる。

その精査は、他人ではなく自身で厳密にはじき出し将来予想を立てる必要があるだろう。
 

次回は、新築アパートを投資対象とした場合の勝利条件を明示し解説していく。


記事内用語解説・補足
利回り(りまわり)利回りとは投資金額に対する年単位の収益の割合のこと 利回り(年利回り) は、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことを指しています。 利回りと利率の違い 一方、利率 (年利率)は、額面金額 ... [詳細解説へ]
英訳:yield (- investment)
関連語:表面利回り|グロス利回り|Gross利回り|実質利回り|Net利回り|NOI利回り|NCF利回り|キャップレート|還元利回り
区分所有建物(くぶんしょゆうたてもの)区分所有建物:区分マンション = 分譲マンション 一棟のマンションの内、マンションの部屋を分割譲渡している物件を指し、一般に「区分マンション」や「分譲マンション」と表現されます。 住宅購入者に向けて売 ... [詳細解説へ]
英訳:condominium
略語:区分|区分建物
同義語:区分マンション|分譲マンション
関連語:区分登記|表題登記|区分所有法

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店内でゆったりとお過ごしいただくことを大切に地域の皆様に愛され大切にされるようなお店を目指しています。

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