アパート投資の教科書2(注意点と特徴編)

 

このシリーズでは投資先をアパートとした場合の注意点、メリット・デメリットを解説するだけでなく必勝の道へとご案内する。第2回目の今回は、アパートを投資先とした場合の特筆すべき注意点と特徴について細やかに解説していく。


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不動産に投資を行おうと考える場合、実のところアパート、マンション、区分マンション等でそれぞれ注意すべき点や勝利の方程式は微妙に異なる。

しかし、その細やかな相違や正攻法を細かく解説した情報に出会うのはまれだろう。

このシリーズでは投資先をアパートとした場合の注意点、メリット・デメリットを解説するだけでなく必勝の道へとご案内する。

前回は、必勝・必負を分ける法則について解説した。ご覧頂いていない方は下記よりご確認頂きたい。

第2回目の今回は、アパートを投資先とした場合の特筆すべき注意点と特徴について細やかに解説していく。

アパートを不動産投資先とした場合の特徴

アパートとは端的に言うと非堅固建物。1棟の建物であるがその建物構造が木造、軽量鉄骨といった種類のものである。構造による法定耐用年数の短さが硬固建物と比べ、顕著である。

木造アパートは建物を22年で償却していく。建物に対する平均減価は年4.54%だ。軽量鉄骨は19年(3mm以下)となり年間の減価は5.26%となる。

アパートは建物分の価格下落が速い

上記で述べた通り新築物件であったとしても法定耐用年数が短いということは、建物減価が早く進む事を意味する。

いや建物より重要なのは利回りなのだと主張する方もいるだろう。

流通価格は収益価格だけで決定されない

しかし、残念ながら日本の不動産投資市場において不動産の流通価格は収益価格だけで決定されない。

市場が好調の際には収益価格の比重が高くなりやすいが時価評価(原価法による評価)が収益価格に追いついていなければ融資の利用は難易度が高くなる。

減価償却による簿価上の減損ということだけでは済まない。

不動産において融資利用がどの程度できる物件なのかという点は非常に重要であり、取引価格に直に影響する。

建物に対して年間4.5%から5.2%減価していく。中古物件であればその減価速度は更に早い。

投資の目的は利益の追求

投資の目的は利益の追求。先に挙げた期間中のキャッシュフロー+売却益(受取額)を増やす事が目的。

リスクを加味された投資決定額(収益価格)は、減価の幅を調整する事で決定できる。

投資額全体の割合としてあまり大きくない方が確実性が増す。

減価幅が大きな取引をする場合の影響

融資利用をする場合、減価幅が大きな取引をする場合、信用がでやすくなり資金調達難度があがる。

その為、取得すべき取引値、NOI利回り、*Drは、事業プランによって変わるのである。
 

*収益還元法(DCF法)のキャップレートにあたるDr「割引率:discount rate」

土地と建物の構成・比率がもたらす影響

通常不動産以外の投資対象を選択する時、将来にかけて価格が下落することが確実視されているものを選ぶだろうか。

アパートを対象とした不動産投資の場合、問題となるのは上記で挙げた建物の減価幅だ。

物件の比率構成に目を向ける必要性

通常不動産を取得する際には土地と建物を一体として取引する。

投資対象金額が土地建物合計金額。

つまりその物件を取得する際の比率構成に目を向ける必要性がある。

ここでいう比率は簿価上の比率ではない。可処分価格としての比率だ。

可処分価格=担保価。即現金化できる額。常に把握しておくことが賃貸経営、融資利用に関しての問題解決力、理解力を向上させる。

新築アパートで木造だった場合、法定耐用年数は22年であるから年間減価は4.54%であると述べた。

しかし、投資金額に対する建物の比率が半分であった場合は4.54パーセントの半分で抑えることができる。4.54%の半分となる2.27%だ。

土地の比率が高い投資先

土地の比率が高い投資先であれば減価幅は最小限に抑えられる。

建物の比率が高い投資先

逆に建物の比率が高い物件を利回りベースで取得した際は、この下落をダイレクトに受けることになる。

イールドギャップ傾倒の危険性・注意点

イールドギャップとは投資利回りと長期金利との差のことを指す。NOI利回り5%の物件を金利2%で運用すればその金利差3%がイールドギャップ。

投資指標に使われる。

金利差はあれど、不動産の場合、減価幅が存在し、個人・中小企業が対象にする規模の特に居住不動産「Residence」(レジデンス・レジ)ではその減価幅が取引価格に直結するケースが多い。

金利差はあれど、不動産の場合、減価幅が存在し、個人・中小企業が対象にする規模の特に居住不動産「Residence」(レジデンス・レジ)ではその減価幅が取引価格に直結するケースが多い。

元本の償還は30年返済で約3.3%、20年で5%の減少幅である。利息が2%であればそれぞれ約5.3%、7%超のNOIが必要になる。超をついた理由は税金分の確保が必要な為。

この指数は、資金調達において、元金一括返済方式を選択する投資家には、出口変動が少ない場合に非常に有効な判断指数である。

アパート投資の注意点・優位点

不動産投資を行う場合、この減価していく速度を加味し最終的に売却後利益を確保できるかどうかが全てである。

減価速度が速い

非堅固建物であるアパートはとにかく減価速度が速い。

この速度に対応する事が全てであり注意点だ。

自身の利益確保を確実なものにする点において、アパート、非硬固建物を投資対象にする場合、硬固建物に比べ2つの点で優位である。
 

投資プレーヤーが多い

  • 投資不動産、1棟物の中で最もプレーヤーが多い。
  • 住宅市場へのコンバージョンが他に比べて易い方法がある

一つ目は説明の必要はないだろう。

コンバージョンが比較的行い易い

二つ目、住宅市場へのコンバージョンが比較的行い易い点にある。

アパートが建っている地域は通常住宅市場と重なる

市場規模が最も大きい

不動産の全市場の内、住宅市場の規模が最も、そして圧倒的に大きい。

物件そのものの最終期において、追い出しの難点はあるが、解体、測量等の作業を行えば、土地としての売却ができる。

必ず出口が作れるという点は終値が読みやすい。事業計画の精度が高めやすい事に繋がる。

次回は、新築アパートを投資対象とした場合の特筆すべき注意点とメリット・デメリットを精査していく。


記事内用語解説・補足
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英訳:cash flow
略語:CF
関連語:キャッシュフロー計算書|キャッシュフロー会計|NCF|NET|NOI
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同義語:原価法による評価
関連語:積算価格|不動産鑑定評価|再調達原価|路線価

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