不動産の利回り・投資指数活用マニュアル5(復帰価格と価格算出)

「利回り」より収集できる情報、更に収集した情報を精査し投資指数を弾きどう活用し、不動産がもたらす利益を向上させる指標とするかこのシリーズでは明示する。第5回目は、前回解説してきたDCF法の後半部。復帰価格(投資終了期の価格)の算出を行い価格算出の工程について細やかに解説行う。

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不動産市場において目にする「利回り」は、物件の情報を収集する為のヒントにすぎない。

利につなげる為には事業決定迄に必要な情報を、調査、比較できるまでの投資指標を弾き出さねばならない。

我々が一般に目にする「利回り」について、その種類と収集できる情報、解説し、更に収集した情報を精査し投資指数を弾きどう活用し、どう導き、不動産がもたらす利益を向上させる指標とするかこのシリーズでは解説していく。

前回までの内容をご覧頂いていない方は、下記より把握頂きたい。

 第5回目は、前回解説してきたDCF法の後半部。復帰価格(投資終了期の価格)の算出を行い価格算出の工程について細やかに解説行う。


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売却価格から復帰価格を算出

DCFでは10年前後で試算される事が多い。一般的な売却方法を考慮して、売却価格を決定し、受取り額(復帰価格)を算出。

保有期間終了時に受取る事になる復帰価格は期間終了の翌期にあたる為、不確実性も加わることから異なる割引率が設定される。


ターミナルキャップレートについて

これをターミナル(キャップ)レート(Terminal Capitalization Rate・Tr)という。しかし、その予想シナリオを描くのは我々には難しい。現状を基準にする他方法がないと言える。

7~15年程度で設定するものらしいが、個人的に伺った話では修繕費等を考慮すると整合性が取り難くなったり、(オフレコだが)要望と離れすぎてしまうという事があるらしい。

実需販売となるプランの場合

我々ができる最善方法として、現時点における価格を算出して対応する。積算法(原価法)の評価を基準に可能であれば比準法(取引事例比較法)を使用し算出する。

尚、先に紹介した積算法(原価法)・時価評価算出ページの下部に担保評価に関しての解説がそえてある。収益物件を実需販売する際の注意点も記載しているので確認頂きたい。


収益物件として販売するプランの場合

指定末時点でのノンリコース枠に加え、先に紹介した「その市場における一般的な投資家がもとめるリターン」の構成要素である自己資金の回収率(Rtとする:先の例では16.25%)で算出し、正味現在価値(借入分は除く)を算出する事で決定できる。


正味現在価値

尚、正味現在価値「Net present value」(NPV)は、エクセル関数で簡単に算出する事ができる(Microsoft|NPV関数)。

「売却価格:売却時点のノンリコース借入枠」+「NCFを基準に割引率Rtを用い正味現在価値を算出」=売却価格+諸経費

実需販売、収益物件での販売いずれも、売却価格から諸経費を差し引き受取額を算出。


復帰価格:売却価格-諸経費


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合算した収益よりDr・収益価格算出

全てのNCF、復帰価格が算出できている為、Drは内部収益率「Internal Rate of Return」(IRR)で算出する事ができる。


収益価格:期間NCF合計+復帰価格を割引率(Dr)で割り戻す(正味現在価値)


内部収益率(IRR)

IRRは、端的に説明すると投資期間における一年当たりの年利回り。

正式な手法ではなく、投資効率から逆算した数値になる為、相場というわけにはいかないが、上記工程で算出された収益価格は、対象地域で動く平均的な投資家が取得対象にする価格といえる。


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補足)利回りの差

本シリーズの最初の問い、利回り(Gross)の差について、これまでの工程で理解できただろうか?

NCFだけでなく、復帰価格はその総量が多い為、最終期で計上されるものの価格に与える影響が大きい。

上記で使用した方法はCr、DCF法の割引率(Dr)の算出を自己資金と標準的な借入額より導きだす方法をとった為、理解が早かったかもしれない。

理解は進んだだろうか?


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投資効率向上を目的に戦略選定

運営期間、借入調整、調達金利の調整、運用方法、売却手段・方法を検討し、投資効率の向上する事業プランを探していく。

これまでの工程と異なり、対象は自身になる為、より精度の高い数値を使い検討ができる。


加重平均資本コスト(WACC)

自身が対象である為、税率が確定できる事から、WACC(Weighted Average Cost of Capital・加重平均資本コスト)を使用する事も可能だ。

ここでの判断は、WACCを割引率としてNPVの値が最も大きくなるプランを探し出す事である。

その数値が大きくなるならば、他に負けずに値を入れられるかもしれない(競り勝てる)、運営プランとして考えた場合は効率のよい運営方針が判断できる。


次回は、これまで解説してきた「利回り・投資指数活用」シリーズ内容をまとめ、総括とさせて頂く。


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投稿者:Kishin Inc.編集部

当社はカフェと不動産の並列店です。店内でゆったりとお過ごしいただくことを大切に地域の皆様に愛され大切にされるようなお店を目指しています。また、地域の住宅の他、東京23区・多摩地区を中心に事業(投資)用物件の取り扱いもしております。 [@Kishin_inc ]

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