不動産融資・資金調達法2(与信編)

融資の話は、土台、基礎を身に着け、活用できるように導くほどの精度を持つ情報は見つけ難い。このシリーズでは融資の引き方を基礎から応用迄まで丹念に解説していく。第二回目の今回は与信について。自身の財務状況をどう捉え、どのように整えていけばよいかを細やかに解説していく。

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融資の話の中ではその手法やロジック解説をテーマにするとネタが尽きる事はないが、土台、基礎を身に着け、活用できるように導くほどの精度を持つ情報は見つけ難い。

このシリーズでは不動産投資・賃貸業を行う上で必要な融資の引き方を基礎から応用迄まで丹念に解説していく。

前回は、漠然と間違って捉えられていることの多いポイントを訂正し真常識を解説した。内容を確認されていない方は下記をよりご確認頂きたい。

 今回は、信用(与信)。自身の財務状況をどう捉え、どのように整えていけばよいかを細やかに解説していく。


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対象者の収支状況

損益計算書は利益を示すものであり、第一段階、つまり融資取引なしの状態であれば、大まかな捉え方としては、投資をする余力があるのかという点が大きいと考えられる。

給与所得者であれば、実際の生活費を控除してみて投資するべき余力がある方かどうかがポイントだ。


投資余力があるか

投資余力があるかどうかとして、各金融機関の数字は恐らく若干異なるが統計を基準(参考:経済産業省・統計局「家計調査 ☑」 )として余力判定している(システム化)ケースが多い。


家族構成・年齢で異なる見方

家族人数、年齢により指数は変動する。各銀行で扱う数字は当然非公開だが、ずばり聞くと教えてくれるかもれない。

目線は決して厳しいことはなく、例えば私が担当した案件の中には時期に関わらず単身者で年収200万円台で借り入れを利用し不動産投資を開始された方も複数いる。

単身と非単身の差は大きくなるがどちらかというと家族が多い方が生活費の差し引きは大きいので実態に合っているともいえる。


持ち家か賃貸住宅か

また持ち家で住宅ローンがある場合は、そのローン返済額が住宅費として適応される。賃貸であった場合もその住宅費は考慮されているので実はあまり変わらない。


住宅ローンとは違う

住宅ローンがあると不動産投資の枠がなくなるから不利だというのはアパートローン等の消費性融資を利用する、した場合の話である。

最もその住宅ローンが実需不動産としてみても債務超過となるような金額の残債があれば足を引っ張るが、これは後ほど触れる。


他のローンの利用

また、住宅ローン以外の融資利用がある場合はローン返済分(車のローン等)、カードで分割払いをする人はその枠がそっくり余剰収入より差し引かれて判定される。

余談だが、借入機会が多い不動産賃貸業はカードの分割払いは毒である。

物件取得以後はそれぞれ、物件の収支、ローンの返済が数字に加わり、常に安全圏内にいるかがチェックポイントだ。


常に安全圏内にいるか

計画どおりであればキャッシュフローは増えているハズである。この物件取得後に取得前よりも数字に表れるプラスが増えているか要チェックだ。

要するにキャッシュフローが生活費を控除してもプラスに傾いているか。物件取得後は、取得前よりもプラスになっているか(増えているか)が重要ポイントだ。


当サイトで提供しているツール

これらの事は下記Free Toolの利用と解説記事の把握で実数出せるのでご利用頂きたい。自用では自身の与信、事業用では物件を対象として算出できる。


キャッシュフローは少なくても開始できるが

当然のことながらこのキャッシュフローは多ければ多いほどによい。先に年収200万円台から開始された方もいるがという旨に触れたが、勘違いしないで頂きたいのは実行可能であるだけで取引の幅は極小。


相当な投資精度が必要

相当な投資精度が必要である。一つでも間違った物件を取得すれば物件取得はできなくなる。少ないより多い方が当然に幅も広がり利の大きな取引がしやすい。

キャッシュフローが減り要注意先として認定されると金融機関はあなたの借入に対し、引当金を積み上げねばならなくなるのだから。


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積み重ねられた実績

年収が2000万円あって、計算上の余剰金は年に1000万円以上あるはずなのに自己資金が100万円しかないという人にお金を貸す人がいるだろうか。

企業にとっては貸借対照表がどのように富を蓄積しているか、継続的な実績を表す。


事業は資本を変換させていくから見方がちょっと複雑

キャッシュフローが増えれば純資産が増えていきそうなものだが、事業は資本を変換させて利益を増やしていくものだから変換先の資産が増えている場合もあれば減っている場合もある。


貸借対照表に現れない実態

連動して現金の増減もある。貸借対照表に現れない実態を把握する為、別途保有不動産についてはそれぞれ簿価上の数字だけでなく担保評価もされる。

それらを明確にするのが貸借対照表の役割であるが、給与所得者や白色申告の事業者は貸借対照表がない。


お金の流れが見えないと貸すに貸せない

お金の流れが見えない部分が多いこの二者には資産をみせてもらわないと恐ろしくて仕方がない。年収は多い散財者は非常に多いのだから。

不動産を購入し、融資を利用したいという際に自己資金をいれてほしい、満額まで融資を下ろさないという規定を表立って明示する銀行もある。


確認と保全が含まれている事に気づいただろうか

ここには確認と保全が含まれている事に気づいただろうか。

一つは実績として投下できる自己資金が蓄積されている事の確認、もう一つは担保割れに対する保全。

先にあげた損益計算書と連動しているのである。給与所得者等の場合、支出の確認ができない。

その不確定部分を確認したがるのは当然だ。

 
一方、場合によっては業をなす上で手持ち資金、動かせる資金があまりに少なくて困るケースもでてくる。


動かせる資金が少ないときの対策

対象不動産の担保に問題がなければ、現金を寝かす場所をその金融機関に明示、または移してもいいだろう。他の資産、例えば株式等をエビデンス書類として提示するのも効果的だ。

担保が足りないような大きな取引をしようとしている場合には明示だけではなく担保設定させてくれ(預金担保等)と言われるかもしれないが、それも状況次第だろう。

多くは事前に金融機関側と認識を合わせておけば残債が減れば区分けで担保解除できるのでそれほど警戒する必要はない。柔軟に対応してくれるケースは多々ある事を知っておくとよい。

共同担保利用する場合の注意点と応用のヒント
担保の穴埋めで連鎖的に物件繋ぎ止められてしまうのは事業展開上あまり好ましくはない。どちらか一方の処分で完済、処分の順番が確定的で換金可能かのどちらかが成立しなければならない。一定以上の投資家・賃貸業者は資金使途作って個別でお金引き出す。

複数案件を組み合わせ、資金使途をつくる

取引が進み上級レベルの資金調達では、複数案件を組み合わせ、資金使途をつくる目的で上記と逆さ、つまり自己資本の投下を大きくする手法をよく使う。

得ようとするならば先に出し、大きく引き上げるが資金調達には非常に優位に働くもので、プランによっては取得価格を大きく超えるように整える資金調達も可能だ。

重要なのは捉え方であるので一つずつよく理解してほしい。


次回は、資金調達に必須であり厳密な見立てが必要な物件収益力と物件担保力の把握を細やかに解説していく。


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投稿者:Kishin Inc.編集部

当社はカフェと不動産の並列店です。店内でゆったりとお過ごしいただくことを大切に地域の皆様に愛され大切にされるようなお店を目指しています。また、地域の住宅の他、東京23区・多摩地区を中心に事業(投資)用物件の取り扱いもしております。 [@Kishin_inc ]

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